2013年11月29日金曜日

高専ロボコン2013を振り返って

去年の決勝戦の再試合の判定もそうだったけど,やっぱり今年も心に引っかかるというか,何度も思い返す試合というのがありました.
誰も見ていないだろうと思うので,ここに書いておきます.

ちなみに今年のも決勝戦で,徳山VS奈良の試合.

まず,試合前には徳山のトラブルで,30分程度の中断,徳山にとっては修理・調整時間がありました.

「徳山だけ調整時間があって,奈良に無いのは酷いじゃないか!」

という声もありましたが,奈良にもきちんと調整が必要かの意思確認はしています.
その上でのスタートゾーンに置いたままというものでした.

試合前に徳山がこのようなトラブルに見舞われたのもあって,実力で圧倒的上回る奈良の勝ちを予想していた人も多かったと思います.

しかし勝ったのは,徳山.


負けた奈良は自分たちのせいだというようなことを言っていました.
そうではあるんですが,実はそうでもないかなというところがあり,ずっと心に引っかかっています.
正直に言うと,奈良には試合前に徳山に関する情報を流していたのです.
ずっと待たされる奈良の心境を考えると,と言うとそうかもしれませんが,それがある種間違った情報であった可能性が高かったというのが問題でした.

奈良に渡った情報は,

「時間もないので徳山にはとりあえず出てもらいますが,ほとんど動きません,いつものようにやれば勝てますので」

次に情報が修正され,
「徳山は動くようですが,万全ではありません.いつも通りで大丈夫です」

といった感じのもの.
これを信じた奈良は,速さではなく,安定性を取る戦略に切り替えたそうです.

そして実際に試合が始まると,徳山はいとも普通に,奈良に追い付け追い越せといった感じで動いていました.

奈良はこれに関してどうこう言っていませんでしたが,「万全ではない」と伝えられたロボットが動いて,自分たちに迫ってきているのを目の当たりにして,選手たちはどう考えたでしょう?
それが原因とも言いませんが,試合中に相手の様子を見ることはできないでしょうし,結果,奈良は途中で失敗し,負けました.


決勝終了時点で,得点を表示するディスプレイは118:118の同点を示していました.
両校の選手は同点と思っていたでしょう.
しかし結果は徳山がわずかに上回る124点で優勝.
主審の私は,この結果を伝える必要がありました.
つまり,奈良の選手に敗戦を伝えるということです.

僕は結果を伝えた後の奈良の選手たちの落胆の反応を未だに忘れられません.

間違いなく今大会No.1のロボットを作ってきた奈良でしたから,自信もあったでしょう.
そして,ディスプレイに示された点数は同点,もう一回やれば勝てると思っていたかもしれません.
それだけに,ショックも大きかったでしょう.


この試合の奈良にとっての敗因の少なくとも数パーセント,もしくはコンマ数パーセントに運営側の影響が入っていたように思います.

僕は少なくとも,対戦相手の状況,強いては戦略の指示については控えるべきだと思っていました.
余分な情報を与えるより,緊張感を持って試合に挑めたでしょう.

それが悔やんでも悔やみきれません.


これが唯一ではありませんが,今大会では,運営側の影響で実力を出し切れないチームが他にもいくつかありました.これは後日時間があれば書こうと思います.


何のためのロボコンか,それは高専生のためというのは自明です.
では我々サポートする側は何をどうすべきかというのも明らかなはずです.


長くなりましたが,このことを忘れず,これからも関わって行くつもりです.


という将来の自分へのメッセージでした.

2013年11月27日水曜日

時差ボケ?

これを時差ボケと言うのかな?
とりあえず今は何もできないというか,やる気が起きない感じ.

昨夜は21時過ぎに就寝し,0時ごろに目が覚め,次に起きたのは5時ごろ.
それから寝るに寝られずずっと起きている.

今は早く帰りたい気分満載.

2013年11月26日火曜日

高専ロボコン2013全国大会

一時帰国の予定を少しだけ伸ばし,高専ロボコン全国大会の主審をしてきました.
地区予選は後輩にお願いしておいて,全国のおいしいところを持っていくちょっとダメな先輩でしたが,そうしてまで今年主審をしておいて良かったと思っています.

と言うのも,2年連続で全国の主審を任されて,それなりに問題なく終わらせることができたので,来年も上野にという一つの流れができたから.

これが今年は違う人がやっていて,来年は僕がやることになれば,なんだかブレているというか,パズルの肝心ピースが埋まらないような感じになるのではないかと思うし,そうなれば今年やった人が来年も引き継ぐのが良いような気もするし,つまり今年がターニングポイントになったのではないかと思っています.

木村先生直々に後継者の称号を頂けたので,今後は清水先生,木村先生,大金先生と脈々と受け継がれてきたロボコン審判の座を引き継ぎ,次の世代が現れバトンタッチするまではきちんと務めようと思っています.
もちろん,ただ単に与えられた仕事をこなすだけでなく,現役の人たちがやりやすくなるように,何か変えられるところがあれば変えていくことも仕事の一つだと思っています.

指導者にはならないのかとよく言われますが,今まで指導がうまくいった試しがないので,僕はこうして,こういう道もあるんだよと言うことを後世に伝えていき,何かの足しになってくれればと思っています.
ロボコン経験者が指導教員となり,さらには高専の長になる人も出てくるであろう今後,良くも悪くも色んな方法でロボコン経験者を導ける人が出てくることは,これから経験するであろう人たちにとってもいいことだと思います.

そんなときに,ロボコン経験者の審判として,一つ歴史に名を残せれば,こんなに嬉しいことはないなと思っています.

日本のビール

ドイツへ戻るときに日本のビールを持って帰ると宣言していたのにも関わらず,忘れてしまったアフォな人間です私は.

とはいえ,日本で色んなビールを飲んでみて,違いも分かったので書いておこうと思います.

まずはじめに発泡酒ですが,帰国前は発泡酒飲んだら「うぇ,まずッ!!」てなるんじゃないかと心配していましたが,ぜんぜんそんなことはない.
ビールでは無いなというのはわかった程度で,むしろ良くできていると思いました.


そして,ビールは色んなものがあるけれど,今回飲んだのは,ヱビスにプレモル,キリンラガー,アサヒスーパードライ.
ヱビスとキリンラガーは似たものがあるけれど,キリンの方が若干苦みが残る感じがした程度.
味はドイツのものよりも少し香りが少ない程度でおいしかった.
プレモルは日本では特別な日にと言う感じがあるけれど,僕は好きではなかった.
ホップのフルーティーな感じとでもいうのか,ほのかにそれが香る程度ならいいんだけど,前面に押し出してくる感じが僕は好きではなかった.
そしてスーパードライは,風味が少ない感じがした.外国人はそれが良いらしいが,やはりドイツビールとは畑違いな(比較対象が違う)気がした.

ということで,ヱビスやキリンが僕の中では好成績でした.


ドイツはドイツの,日本は日本の良さがあって,それぞれの国の料理に合うようになっているのかなと思いました.
ドイツ料理はシンプルな味付けのものが多い分,ビールの香りなどが活きるのかなとも思うし,日本料理には控えめな香りが良いのかなと思ったり.

ともはれ,ドイツ帰国後に最初に飲んだビールはやはりおいしかった.
ドイツはビールとソーセージの国であることを再確認した日でした.

ドイツ帰国で思ったこと

ドイツへ帰ってきた.
ドイツ帰国と言うのかどうか迷うが,やはり「帰る」という表現が素直に出てきている時点で「帰国」になるのだろう.
生活の基盤が出来上がっているからこその「帰る」という表現になるんだろうなと考えている.

返ってきた初日に降雪+積雪があり,僕が雪を連れてきたような感じになっている.
本格的な冬がやってきたなという印象である.

さて,日本へ帰ったときは,日本に対してショックを受けることがあったのだが,ドイツへ戻ってきたら戻ってきたで,やはり日本とは異なることに目が行った.

それはドイツ帰国後最初に気付いたことだが,電車が出発するときに何も言わないことである.
日本であれば,電車がホームへ到着するとき,出発するとき,ともにアナウンスがあるが,ドイツではそれが無かった.

そこで改めて考えてみると,ドイツでは,個人と個人であれば温かみを感じることができるが,対複数人になった場合にとても冷たさ感じることがわかった.
テレビのあるチャンネルの放映が終了することを周知しないのも然り.

日本はどうかと言うと,対個人においても対複数においても,どんな批判が起こるかわからないので様々なケースに対応する必要があり,それが良くも悪くもマニュアル対応を促す結果となり,個々に対しては冷たさが,複数に対しては気配りが感じられるという結果になっているのではなかろうか.

色々考えてみたが,当然これは,これまで築き上げられてきた文化から生じた現象であって,それぞれ一長一短があり,どちらが良い・悪いという問題では無いのである.
こういうことを確認できる機会はそう無いことなので,やはり今回の経験はとてもありがたいことである.

2013年11月3日日曜日

帰国、開口一番

先ほど無事に成田空港へ到着しました。
飛行機は、ボーイング787で、トイレにウォシュレットはついてるし、サービスも良く、とても満足でした。

そして、成田空港へ到着して東京駅へのバスに今まさに乗っているのですが、それまでにかなりショックな出来事がありました。

まずひとつに、高速バスのチケットを買い求めるべく、とりあえず窓口にいる人に聞いて見たんですが、そのときの対応が酷かったこと。

目を合わせようともしないし、笑顔もない。
結局、こっちが買おうと思ってたチケットとは違う会社の窓口だったようで、隣の窓口に回されました。

それにしても帰国早々、なんと後味の悪いことか!
ミュンヘンであれば、たとえ窓口を間違っていたとしても正しい窓口を親切に教えてくれて、最後は笑顔で別れますよ。
良い旅行をなんて言ってくれる人もいるし!

そして二つ目はバスに乗ったとき、空気の暗いこと。
皆スマホをいじっているのか、下を向いてる人が多くて、どんよりしたものを感じた。
そしてもちろん誰も目を合わせようともしない、というか、こちらを見ようともしない。
これまたミュンヘンであれば、一人くらい目があって、笑顔を交わすくらいのことはするのである。

もぅ怖い、怖すぎるよ、日本人


帰国前は日本に帰るのが楽しみでしたが、なんだか今は早く帰りたい気分。
こんなでは海外の友人に自信を持って紹介できない…
まさかこんなことを思うとは思ってもいませんでした。

2013年11月1日金曜日

一時帰国の前に思ったこと

帰国の時期が決定してから,ごくごく最近までは,帰ってから何をしようかと考えることが楽しかったのですが,帰国直前になってからは,ドイツを離れることに寂しさを感じ,日本へ行くことに不安を感じるようになりました.

ちょうど日本からドイツに来る時に,それまで慣れ親しんだ環境から離れるときの感覚に似ています.

なんだかんだで,こっちではこっちの環境に馴染んでいたのだということを実感できました.
特に研究室の友人から,そんなに長く帰っちゃうの?寂しいなぁ.ということを言われると,ちゃんと僕の居場所が研究室にはあったのだということを認識させられて嬉しく思う反面,その居場所が自分のもとから離れて行ってしまうのではないかと言う不安も感じました.

ドイツから完全に引き上げるのは2月で,あと4か月しかありません.
それまでに,研究ももちろんですが,人間関係でも悔いのないように過ごしていきたいなと思いました.

とまぁそんな思いを胸に,明日の夜,ミュンヘンを旅立ちます.